バックスイングでは右肘の動きがポイントになりますが、意識的に右肘の動きをコントロールしようとする必要はありません。
基本的には体幹と末端がうまく連動すれば、その人に合う形で右肘はたたまれていきます。右肘が内側を向いてたたまれ、脇が閉まった形のバックスイングになる人もいれば、右肘が外側を向いて脇が開いた形になる人もいます。
人それぞれが持つ体の特徴によって、“自然な肘の動き”は異なるのです。一般的には昔から「バックスイングでは脇を閉めるべき」という認識を持たれる傾向にありますが、すべてのゴルファーがそのような動きや形を獲得しようとする必要はありません。
というよりも、肘が内側を向いて脇が閉まるタイプの人の場合でも、意識的にはそうしようとする必要はなく、“良い運動をすれば結果的にそうなる”という観点でイメージを創っていけると良いでしょう。
脇が閉まった状態
脇が開いた状態
電話機を耳にあてた時肘はどうなる?
スマートフォンなどの電話機を耳にあてたり、コップを口元に運ぶ時の肘はどうなっているでしょうか。自分やご家族、ご友人のこのような所作をチェックしてみると、脇が閉まる人もいれば開く人もいることがわかると思います。
それが、その人にとって最も安定して電話機やコップを支えられる肘の状態です。
肘が内側を向く所作
肘が外側を向く所作
腕力に頼らずクラブを操作できるか
体幹と末端を連動させてクラブを動かす、ということは“腕力に頼らずにクラブを操作する”と言いかえることができます。
過度に腕を横に動かしたり、持ち上げたりせずにクラブを支えコントロールすることで、体幹と末端、そしてクラブが連動したスイングになります。
肘が外を向いて脇が開いた状態が、最も物を自然に安定して持てる人が、無理に脇を閉めて物を持とうとすると、筋力に頼ることになります。そうなると、一般的に言う“力み”になり、体幹と末端が連動しにくくなります。
すべてが“ありのままで良い”わけではない
これまでこの記事では「右肘の動きは人ぞれぞれが持っている特徴にある程度従いましょう」ということをお伝えしてきましたが、ゴルフスイングではすべてが自由で良いかといえば、決してそうではありません。
グリップ、アドレス、テークバックでのクラブへの力のかけ方、といったものの中には、万人共通で押さえておくべきポイントがあります。それらを自身のスイングに落とし込むことで、自身の動きの特徴が全体の中に溶け込み、機能します。
「万人共通でやるべきこと」と「結果的に表れる個々の特徴」を切り離して考えていくことで、ゴルフ練習の濃度が高まります。
2023.08.23
レッシュ理論・4スタンス理論とは
ヴィクトリアゴルフスクール五反田店には、人それぞれにある身体の特徴と、その扱い方についてまとめられた理論「レッシュ理論」学び、資格を有しているゴルフコーチが所属しています。そこで、今回はレッシュ理論とはどういうものか、について簡単に解説します。 レッシュ理論とは 「4スタンス理論」に触れたことが...